エンジニアの入国トラブルをどう防ぐか(5)

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エンジニアの入国トラブルをどう防ぐか(5)

Foreign Affairs ManualのBビザの章に、以下のような条文があります。
”There are cases in which aliens who qualify for H1 or H3 visas may more appropriately be classified as B1 visa applicants in certain circumstances; e.g., a qualified H1 or H3 visa applicant coming to the United States to perform H1 services or to participate in a training program. (9 FAM 402.2-5(F))”
「資格要件を満たしているH-1またはH-3のビザ申請者がH-1サービスを行うためもしくはトレーニングプログラムに参加するために米国を訪れるといった様な特定の状況においては、H-1またはH-3ビザの資格を満たす申請者をB-1ビザ申請者として分類した方がより適切である場合があります。」

B-1 in lieu of H-1Bは、BビザでありながらH-1Bで認められるサービスが提供できるビザです。一般的なB-1ビザの条件に加え、以下の条件を満たすことが求められます。
現地での業務内容がH-1Bのspecialty occupationに該当すること。
申請者の学歴、職歴がH-1Bの条件を満たすこと。
一時的な就労であること。

specialty occupationは以下のように定義されています。
“A specialty occupation requires theoretical and practical application of a body of specialized knowledge along with at least a bachelor’s degree or its equivalent. For example, architecture, engineering, mathematics, physical sciences, social sciences, medicine and health, education, business specialties, accounting, law, theology, and the arts are specialty occupations.”
specialty occupationとは、大学の学部レベルで得られる特殊な知識を用いる職種でなければなりません。そのためエンジニアは該当しますが、経験豊富で高いスキルがあっても”作業員”は該当しません。

H-1Bで申請者に求められる職歴・学歴は以下のようになります。B-1 in lieu of H-1Bでもこれに準ずる職歴・学歴が必要と考えます。
大学以上の卒業資格、またはそれに準ずるものが必要です。
大学の卒業資格がない場合12年以上(短大の場合は6年以上)の経験が必要です。(3年間の就労経験を大学の1年とみなす。)
専門学校を卒業している場合は2年間の就業経験としてカウントされることもあります。ただし国から認定されていなければならず、専門学校はまず学歴としては認められません。
エンジニアの場合は、研究、開発、生産などで、工学の知識を必要とする業務に従事した経験があること。

B-1 in lieu of H-1Bには以下のような特徴があります。
売買契約にその活動が記載されていなければならないB-1 (industrial worker)と異なり、B-1 in lieu of H-1Bは派遣先を問わずspecialty occupationに該当する作業を行うことができます。
理系の大学卒、高卒でも十分な経験のあるエンジニアであれば、多くの場合条件を満たします。グリーンフィールドの実績では、実務経験が15年あればビザが発給されています。
通常日本人には10年間有効なBビザが発給されますが、B-1 in lieu of Hは1回しか使えないシングルエントリー、有効期間は6か月で発給されることもあります。

このようにB-1 in lieu H-1Bは、商用ビザにも関わらず契約書なしで通常は就労とみなされる作業ができ、多くのエンジニアが申請条件を満たすことのできるなどメリットの多いビザですが、あまり認知されていません。

申請のポイントは、現地での業務内容がspecialty occupationが行うべきことであることを説明できるかです。特に大学の卒業資格がない場合、ビザの申請が認められない可能性があります。

弊社では、例えば設備の設置、試運転、改造、修繕などでも、生産プロセスや設備の構造、制御プロセスを理解した上で、トラブルなどに対して指示が出せるのがエンジニアであると主張できると考えます。指示に従って作業する”作業員”という印象を与えないように説明することが重要となります。

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