エンジニアの入国トラブルをどう防ぐか(6:最終回)

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エンジニアの入国トラブルをどう防ぐか(6:最終回)

多くのお客様からのご相談にアドバイスをさせていただく中で、個別のケースに対応するだけではビジネスリスクを減らすことは難しいと感じています。

駐在員の派遣などで比較的ビザに明るい人事部が事業部からの出張に関与しているとは限らず、誤った理解に基づいて派遣されていることは少なくありません。

また担当部署である事業部では、顧客の要望を優先せざるを得ないという判断もなされているようです。問題意識を持つ部署があっても、他部署のことには口を出しにくいということもあるでしょう。ビジネスリスクは感じていながらもその評価をせず、トラブルになって全社的な問題になるということはよくあるようです。

グリーンフィールドでは、このビジネスリスクを軽減し安定的に運用するには5つのステップが必要と考えています。

ステップ1:危機意識の共有
そもそも何が問題なのか、入国トラブルはどのようなペナルティが個人と会社に与えられるのか。無防備なビザなしでの渡米のリスクを共有するとともに、そのリスクを軽減する様々な対策があることを理解してもらうことが重要です。施策としては資料の配布やセミナーの実施、動画の共有などが考えられます。適切な対応が取れなくても、少なくともビザなしで派遣して大丈夫か、という意識を持つだけでリスクは大きく軽減されます。

ステップ2:現状把握
ビジネスリスクという観点では現状把握が必要なのは社内だけではありません。協力会社や設備に組み込まれている装置メーカーなど、米国でのビジネスを進める上で必要なビジネスパートナーを含めなければ包括的なリスク評価ができません。そのために、渡米の目的、期間、頻度、活動場所、具体的な作業内容などの回答を求めるアンケートを実施します。ただし就労と商用が判断できるレベルの情報が必要となります。単に「SV業務」では判断ができません。具体的な作業事例を列記したチェックシートなどが必要になります。

ステップ3:リスク評価
各部門ごと、派遣のタイプごとに赤・黄色・緑とリスクに応じて色分けすることで、直観的に対応の要不要が分かるようになります。またどこまでが商用で、どこからが就労なのか、これもその部門ごとの具体的な事例を記載することで、自ら判断するためのガイドラインとなります。また商用と就労の境界があいまいなためリスク行動の明確化には会社のスタンスも決める必要があります。

ステップ4:対策実施
評価されたリスクレベルにより、ビザなしで問題なし、ビザの取得が必要など、必要な対応は異なります。ビザなしで問題なしと判断してもトラブルが発生した時のダメージが大きい場合は万が一に備え、入国審査のQ&Aを作成したり、入国の目的などを記載したポケットレターを作成するといったことも必要になります。

ステップ5:安定的な運用
ステップ4まででリスクレベルは相当下がりますが、安定的な運用には十分とは言えません。ルールや状況が変化するためです。そのため入国の状況に関して社内だけではなく、アメリカでも情報を収集し、収集した情報を社内イントラなどで共有し周知させる必要があります。また入国Q&Aの追加やポケットレターの表現の変更など、対策も随時アップデートしていくことが求められます。

グリーンフィールドではこれらの施策を支援するサービスを開発中です。ご興味のある方は是非ご連絡ください。

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